2017年1月号本居宣長の「敷島の大和心を人と問わば朝日に匂う山桜花」という短歌は良く知られた句である。当時は桜と言えば山桜だったらしい。しかし、江戸時代に入ると染井吉野(そめいよしの)という品種が開発され、山桜にとって代わるようになった。今では桜と言えば、染井吉野を指すようになった。日本の名花「山桜」はどこへいったのだろう▼太平洋戦争中は陸軍の中で生きていて、軍隊の進軍の様を「山桜」と歌っていたのだが、若い人はもちろん知る由もない。それに対して海軍が士気を鼓舞するために歌ったのが、大伴家持の「海行かば」である。しかし、玉砕を発表するときに用いたので、すっかり鎮魂歌として根付いてしまった。「海ゆかば水漬く屍 山行かば草生す屍 大君の辺にこそ死なめ かへりみはせじ」▼マッカーサーがこの歌詞から日本軍の戦闘心理を読み解いたという有名な話がある。厳しい寒さが続いているが、桜の花に思いを馳せる昨今である。(高畑敬一) 2016年12月号ナルクの会員同士の助け合い活動は、短い時間であっても、ちょっとした声掛け運動であっても、思いやりが底に流れていて、会員同士という安心感が根底にあり、心が温まるという。そんな活動から地域で新しい出会いが生まれ、手間のかかる難しいサービスも気兼ねなく頼むことができるようになるのではないだろうか▼会員同士の友情が生まれれば何でも頼めるし、新年会に得意料理を小脇に抱えて出席する風景も生まれる。あまり足が進まない総会にも出席したくなる気持ちが生まれるはずだ▼どんなに難しい研修会であっても、逆にどんなに平凡な集会であっても、声掛けがあれば出席率が高まるというものである▼このナルクの良い点を伸ばし、今日の無縁社会と言われる中でも、「ナルクにはまだまだ良さが残っている」と言われるような、そんなナルクになってほしい。さしずめ、会員の減少している拠点から「声掛け誘い合い運動」を徹底してはどうだろう。(高畑 敬一) 2016年11月号ナルクが最も基本とする時間預託制度は、会員にならないと助け合いを受けることができないとされている。特にボランティアをしたことがなく入会早々の人は、サービスを受けるには預託点数の代わりに、一時間500円程度の寄付金をもらうようにしている 2016年10月号日本選手団の大活躍を連日テレビが放送してくれて、一億総寝不足に陥っているのではないかと心配した。騒ぎも収まってリオデジャネイロを訪れたときのことを思い出した。丘に立つキリスト像や美しい海岸が映し出されると、その場にいるような錯覚を覚える |
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